教育費は親のNISAとこどもNISA、どっちがいい?違いと選び方を分かりやすく解説
2026.11.02
教育費は親のNISAとこどもNISA、どっちがいい?違いと選び方を分かりやすく解説
こんにちは。三協建設株式会社の堀内裕輔です。
「NISAってよく聞くけど、いまいち分からない」
「新NISAになったと思ったら、今度はこどもNISA?」
「子どもの教育費を準備するなら、どちらを使った方がいいの?」
そんなふうに感じている方も多いのではないでしょうか。
2024年から新しいNISA制度が始まり、2027年1月からは、0歳から17歳までの子どももNISAの「つみたて投資枠」を利用できるようになります。
一般的に「こどもNISA」と呼ばれている制度です。
これまで18歳以上が対象だったNISAを、子どもも利用できるようになるということですね。
では、子どもの教育費を準備するなら、親のNISAとこどもNISA、どちらがいいのでしょうか。
ここで僕が一番大切だと思っているのは、制度の違いを知ることだけではありません。
制度を選ぶ前に、まず「わが家のお金の状況」を知ること。
今回は、親のNISAとこどもNISAの違いを整理しながら、教育費や将来のお金の準備について考えてみたいと思います。
CONTENTS
親のNISAとこどもNISA、一番大きな違いは?
まずは、簡単なクイズです。
Q. 親のNISAとこどもNISA。一番大きな違いは何でしょうか。
① 投資できる金額
② 買える商品
③ 誰のお金として持つか
実は、①も②も違います。
ただ、家族のお金を考えるうえで、特に意識しておきたいのは、
③「誰のお金として持つか」
ということです。
親のNISAで運用するお金は、親名義の資産です。
一方、こどもNISAで運用するお金は、子ども名義の資産になります。
同じように教育費のために積み立てていたとしても、お金を誰の名義で持つかによって、将来の使い方が変わってきます。
ここは、制度を選ぶ前にぜひ知っておきたいところです。
親のNISAは、使い道を変えやすい
例えば、子どもが生まれたことをきっかけに、親のNISAで教育費を積み立て始めたとします。
最初は、大学進学に備えるつもりだったかもしれません。
でも、10年、15年と経つ間に、家庭の状況は変わっていきます。
子どもの進路が変わることもあります。
住宅ローンの返済状況が変わることもあります。
車の買い替えや、老後資金について考える必要が出てくるかもしれません。
親のNISAで保有している資産であれば、必要に応じて売却し、そのお金を教育費以外の用途に使うこともできます。
例えば、
-
子どもの教育費
-
住宅に関わるお金
-
老後資金
-
車の買い替え
-
その他の生活資金
などです。
もちろん、投資したお金は価格が変動するため、必要なときに希望する金額で売却できるとは限りません。
それでも、用途を柔軟に変えられることは、親名義のNISAの大きな特徴です。
最初は教育費として準備していても、家族の状況に合わせて使い方を考えられる。
つまり、親のNISAは、お金の使い道の自由度が高いということです。
こどもNISAは、子どものお金として準備する
一方、こどもNISAはどうでしょうか。
こどもNISAでは、子ども本人の名義で資産を保有します。
親などが口座の管理を行いますが、あくまで子どものための資産として準備する仕組みです。
例えば、
「大学進学のためのお金を、ほかの家計とは分けておきたい」
「将来、子ども自身の資産として残してあげたい」
と考える場合には、ひとつの選択肢になります。
親のNISAでは、教育費として積み立てていたお金を、家庭の事情によって別の用途に使うこともできます。
でも、こどもNISAは、親が自由に使うためのお金ではありません。
最初から子どものお金として準備していくため、家計のほかのお金と区別しやすくなります。
これは、子どもの将来資金を準備していくうえで、メリットになる場合があります。
ただし、一度子どもの資産として準備したお金を、あとから親の資産として自由に使うことには向いていません。
だからこそ、こどもNISAを使う前には、
「このお金を、子どもの資産として持たせて大丈夫か」
ということを考えておきたいですね。
こどもNISAは、いつでも引き出せるわけではない
こどもNISAには、親のNISAとは異なる払出しの制限があります。
2027年から始まる制度では、0歳から17歳までの間、原則として資産を自由に払い出すことはできません。
ただし、災害などのやむを得ない事情がある場合に加えて、12歳以降は一定の条件を満たせば払い出せる仕組みになっています。
具体的には、
-
子どものために使うお金であること
-
子ども本人が払出しに同意していること
-
親権者などが必要な書類を金融機関に提出すること
などの条件があります。
例えば、子ども自身の教育費や生活費に充てるために、所定の手続きを行って払い出す場合です。
ここで気をつけたいのは、
12歳になったら、親が自由に引き出せるわけではない
ということです。
親の住宅ローン返済や、親自身の生活費のために、自由に使えるお金ではありません。
この制限は、一見すると不便に感じるかもしれません。
でも、逆に考えると、子どものために準備していたお金を、別の目的で使ってしまいにくい仕組みとも言えます。
自由に引き出せないことは、デメリットだけではないのかもしれません。
18歳になったら、こどもNISAはどうなる?
もうひとつ知っておきたいのが、子どもが18歳になった後のことです。
こどもNISAの資産は、制度上、18歳以上向けのNISAへ自動的に移行する仕組みになっています。
つまり、教育費のために準備していた資産を、すべて教育費として使い切る必要はありません。
大学進学などで使わなかった資産があれば、そのまま本人の将来の資産形成につなげていくこともできます。
例えば、
将来の住まいのためのお金。
結婚や新生活のためのお金。
あるいは、さらに先の人生に向けた資産形成。
子ども自身が大人になってから、必要に応じて使い道を考えていくことができます。
親から子どもへ渡すのは、単にお金だけではありません。
長い時間をかけて資産形成をしていくきっかけも、渡してあげられる。
そんな考え方もできると思います。
ただし、18歳になったからといって、資産が親のものに戻るわけではありません。
あくまで、本人の資産として引き継がれるものです。
親のNISAとこどもNISA、何が違う?
ここまでの違いを整理してみましょう。
| 比較項目 | 親のNISA | こどもNISA |
|---|---|---|
| 資産の名義 | 親 | 子ども |
| 対象年齢 | 18歳以上 | 0〜17歳 |
| 年間投資枠 | 最大360万円 | 60万円 |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円 | 600万円 |
| 投資対象 | つみたて投資枠・成長投資枠の対象商品 | つみたて投資枠の対象商品 |
| 払出し | 原則自由 | 18歳未満は原則制限あり |
| 主な特徴 | 家庭の状況に合わせて用途を変えやすい | 子どもの資産として分けて準備できる |
※2026年11月時点で公表されている制度内容に基づいています。こどもNISAは2027年1月開始です。
こうして比べると、投資できる金額や商品だけでなく、お金の名義や使い方に大きな違いがあることが分かります。
どちらが優れているというよりも、目的が少し違うということですね。
じゃあ、教育費にはこどもNISAの方がいい?
ここが大切なのですが、必ずしもこどもNISAの方がいいとは限りません。
例えば、親自身のNISA枠にまだ余裕があるご家庭。
将来の教育費だけでなく、住宅資金や老後資金とのバランスも考えながら、必要に応じて使い道を変えたい。
そういう場合は、親のNISAで教育費を準備する方が、暮らしに合っているかもしれません。
一方で、
「教育費をほかのお金としっかり分けたい」
「子どものためのお金として確保しておきたい」
「教育費で使わなかったら、そのまま子どもの資産として残したい」
と考えるご家庭なら、こどもNISAが選択肢になると思います。
ただ、どちらを使う場合でも、投資には元本割れのリスクがあります。
特に教育費は、大学入学など、必要になる時期がある程度決まっているお金です。
使う時期が近いお金まで、すべて投資に回すことが適切とは限りません。
すぐに必要になるお金や、確実に用意しておきたいお金は預貯金で準備し、長い期間使わないお金について資産運用を検討する。
そんなふうに、現金と投資を分けて考えることも大切です。
教育費だけでなく、老後のお金も一緒に考える
子どものために、できるだけ多くのお金を準備してあげたい。
親として、そう思うのは自然なことです。
でも、ここで忘れてはいけないのが、自分たちの将来のお金です。
教育費を優先するあまり、親自身の老後資金が十分に準備できなくなってしまったらどうでしょうか。
また、これから家を建てるご家庭なら、住宅ローンの返済も考える必要があります。
家のメンテナンス費もかかります。
車の買い替えもあります。
家族で旅行をしたり、趣味を楽しんだりするお金も大切にしたいですよね。
つまり、教育費だけを切り離して考えるのではなく、
教育費、住宅資金、老後資金、そして今の生活費を、ひとつの家計の中で考えること。
これが、とても大切だと思っています。
こどもNISAがあるからといって、無理に子ども名義の資産を増やす必要はありません。
まずは、わが家がこれから必要とするお金の全体像を知ること。
そのうえで、どのお金を、どの制度で準備していくかを考えていきたいですね。
NISAを選ぶ前に、まず「お金の健康診断」を
健康のことを考えるとき、いきなり薬を選ぶのではなく、まず健康診断をしますよね。
今の体の状態を知る。
どこに気をつけた方がいいのかを確認する。
そのうえで、必要な対策を考えていく。
僕は、お金も同じだと思っています。
いきなり、
「NISAを始めた方がいいのかな?」
「こどもNISAはいくら積み立てよう?」
と制度を選ぶのではなく、まずは今の家計を確認してみる。
例えば、
-
これからどれくらいの収入が見込めるのか
-
今の暮らしに毎月いくらかかっているのか
-
預貯金や運用資産はどれくらいあるのか
-
住宅ローンの返済はどうなるのか
-
子どもの教育費はいつ、いくら必要になりそうか
-
車の買い替えは何回ありそうか
-
老後資金はいくら準備しておきたいか
こうしたことを整理して、これから先の家計がどう動いていくのかを見てみます。
そうすると、
「教育費として、毎月どれくらい準備できそうか」
「親の老後資金は、どのくらい確保しておきたいか」
「現金で持っておくお金は、どれくらい必要か」
ということが少しずつ見えてきます。
そこで初めて、
親のNISAを使うのか。
こどもNISAを使うのか。
両方を使い分けるのか。
あるいは、まずは預貯金で準備するのか。
という選択ができるようになります。
目的地を決めてから、手段を選ぶ。
これが、暮らしとお金を考えるうえで大切な順番だと思っています。
こどもNISAを利用する前に知っておきたい注意点
こどもNISAを検討する際には、お金の名義や払出し条件のほかにも、確認しておきたいことがあります。
ひとつは、投資にはリスクがあるということです。
NISAは投資で得られた利益が非課税になる制度ですが、投資したお金が必ず増えるわけではありません。
運用状況によっては、元本を下回る可能性もあります。
もうひとつは、親などが子どもの口座へ資金を渡す際の税金です。
こどもNISAで運用益が非課税になることと、親から子どもへお金を渡す際の贈与税は別の話です。
親などが資金を提供する場合は、ほかの贈与も含めて税務上の扱いを確認しておく必要があります。
制度のメリットだけでなく、こうした点も理解したうえで利用することが大切です。
制度が変わっても、大切なことは変わらない
NISAは、これまでも制度が変わってきました。
そして、これからも制度の内容が見直されることはあると思います。
そのたびに、
「新しい制度が始まったから、使った方がいいのかな?」
と考えることもあるでしょう。
でも、大切なのは、制度が変わるたびに家計の計画を変えることではありません。
まず、自分たちがこれからどんな暮らしをしていきたいのかを考える。
その暮らしに、いつ、どれくらいのお金が必要なのかを整理する。
そして、そのお金をどのように準備していくのかを考える。
そのための選択肢のひとつが、NISAです。
制度を使うことが目的ではありません。
家族が望む暮らしを実現するために、制度をどう使うか。
この順番を大切にしていきたいと思っています。
まとめ|NISAかこどもNISAか。選ぶ前に考えたい3つのこと
親のNISAとこどもNISA。
どちらも、将来のお金を準備するための選択肢です。
親のNISAは、親名義の資産として管理するため、教育費以外にも使い道を変えやすい特徴があります。
一方、こどもNISAは、子ども名義の資産として準備するため、子どもの将来のためのお金を分けて管理しやすい仕組みです。
大切なのは、どちらが得かということだけではありません。
選ぶ前に、ぜひ次の3つを整理してみてください。
① 教育費と老後のお金を一緒に考える
教育費だけでなく、住宅ローンや老後資金、これからの生活費まで含めて、わが家のお金の全体像を確認する。
② そのお金を子どもの資産にしても大丈夫か考える
こどもNISAで準備するお金は、子ども名義の資産です。将来、親が自由に使う必要のないお金なのかを考えておく。
③ 親のお金として持つのか、子どものお金として持つのか決める
将来の使い道を柔軟に変えたいのか。それとも、子どもの将来資金として分けて準備したいのか。
この3つを整理してから、制度を考えてみる。
そうすることで、自分たちの暮らしに合ったお金の準備方法が見えてくると思います。
制度が変わっても、大切なことは変わりません。
まず暮らしを考える。そして、必要なお金を整理する。
そのうえで、自分たちに合った手段を選んでいきたいですね。
教育費だけでなく、これからの暮らしとお金を考えてみませんか?
NISAやこどもNISAについて調べていると、どうしても制度の違いや投資できる金額に目が向きがちです。
でも、本当に大切なのは、
「これから、どんな暮らしをしたいのか」
「そのために、いつ、どれくらいのお金が必要なのか」
ということです。
くらしとおかねの学びばでは、教育費や住宅ローン、老後資金、家計管理など、これからの暮らしに必要なお金を一緒に整理しています。
「子どもの教育費をどれくらい準備すればいいか分からない」
「NISAを始めたけれど、今の積立額でいいのか気になる」
「住宅ローンと教育費、老後資金を一緒に考えたい」
そんな方は、一度わが家の「お金の健康診断」をしてみませんか。
これからの暮らしとお金を、一緒に考えていきましょう。
くらしとおかねの学びば
代表:堀内裕輔
運営:三協建設株式会社
参考資料
-
金融庁「NISAを知る」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html -
金融庁「アクセスFSA 第270号」
https://www.fsa.go.jp/access/r7/270.html -
国税庁「贈与税がかかる場合」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm
※制度内容は2026年11月時点の公表情報に基づきます。
実際の利用にあたっては、金融庁や利用する金融機関の最新情報をご確認ください。
よくある質問
Q. こどもNISAはいつから始まりますか?
2027年1月から始まります。
0歳から17歳までの未成年者が対象で、年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円です。
利用できるのは、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託を購入する「つみたて投資枠」です。
Q. 教育費は親のNISAとこどもNISA、どちらで準備した方がいいですか?
どちらが適しているかは、ご家庭の状況によって異なります。
将来、教育費以外にも使い道を変えたい場合は親のNISA、子ども名義の資産として分けて準備したい場合はこどもNISAが選択肢になります。
教育費だけでなく、住宅資金や老後資金とのバランスも大切です。
Q. こどもNISAは12歳になったら自由に引き出せますか?
いいえ。
12歳以降は一定の条件を満たすことで払い出せますが、親が自由に使えるわけではありません。
子どものための資金として使うこと、子ども本人の同意、金融機関への所定の書類提出などが必要です。
Q. こどもNISAは18歳になったらどうなりますか?
成人向けのNISAへ自動的に移行する仕組みです。
教育費として使わなかった資産も、本人の資産として引き続き運用できます。
成人向けNISAへの移行は、制度上の年齢判定に基づいて行われます。
Q. こどもNISAで積み立てたお金を親が使うことはできますか?
こどもNISAの資産は子ども名義のため、親自身の生活費や住宅ローン返済などに自由に使うことには向いていません。
未成年の間の払出しには、子どものための用途や本人の同意などの条件があります。
Q. こどもNISAは元本保証ですか?
いいえ。
NISAは投資で得られた利益が非課税になる制度であり、元本保証ではありません。
運用状況によっては損失が出ることもあります。
教育費のように使う時期が決まっているお金は、預貯金と投資を分けて準備することも大切です。




