収納の後悔はなぜなくならない?家づくりで考えたい収納の場所と暮らしの変化
2026.09.18
収納の後悔はなぜなくならない?家づくりで考えたい収納の場所と暮らしの変化
こんにちは。三協建設株式会社の堀内裕輔です。
家づくりで、多くの方がこだわりたいと考えるもののひとつが収納です。
「収納はたくさん欲しい」
「できるだけ物が出ない家にしたい」
「片付けやすい間取りにしたい」
そう考える方は多いと思います。
確かに、収納は毎日の暮らしやすさに大きく関わります。
せっかく家を建てるなら、物がスッキリ片付いて、リビングもきれいに保てる家にしたいですよね。
ところが、家を建てた後によく聞く後悔のひとつに、
「収納はつくったのに、なぜか片付かない」
というものがあります。
家づくりの時に、ちゃんと収納について考えたはずなのに、なぜこういうことが起きるのでしょうか。
もしかすると、その原因は収納の量ではなく、収納の場所にあるのかもしれません。
CONTENTS
収納は「どれだけあるか」より「どこにあるか」
収納を考える時、まず気になるのは広さです。
「収納は何帖くらい必要ですか?」
「ウォークインクローゼットは広い方がいいですか?」
「ファミリークローゼットはつくった方がいいですか?」
こうしたご質問をいただくこともあります。
もちろん、収納の広さは大切です。
でも、実際の暮らしを考えると、それと同じくらい大切なのが、
どこに収納があるか ということです。
例えば、2階に大きなウォークインクローゼットがあったとします。
収納量としては十分かもしれません。
でも、その中にしまう物を普段使う場所が1階だったらどうでしょうか。
・使うたびに2階へ取りに行く
・片付ける時にも、また2階へ持って行く
最初はできるかもしれません。
でも、毎日のことになると、だんだん面倒になってきます。
すると、
「とりあえずここに置いておこう」
となって、リビングやダイニングの一角に物が集まり始めます。
収納はある。
でも、片付かない。
こういうことは、実際に起こりやすいです。
つまり、収納が足りないのではなく、使う場所としまう場所がズレている可能性があるということです。
子育て中の暮らしは、1階で完結することが多い
ここで、子育て中の毎日の暮らしを少し想像してみます。
✓ 朝、子どもの着替えを手伝う
✓ 保育園や学校の準備をする
✓ 洗濯をする
✓ 洗濯物をたたむ
✓ 家族で出かける
✓ 帰ってきて、カバンや上着を片付ける
✓ お風呂に入る
✓ リビングで過ごす
一般的な2階建ての家であれば、こうした家事や育児の多くは、LDKや水まわりがある1階を中心に行われるのではないでしょうか。
特に子どもが小さい時期は、親の近くで過ごすことが多いです。
遊ぶのも、着替えるのも、準備をするのも、リビングや洗面まわり。
つまり、暮らしの中心は1階です。
それなのに、収納は2階に集中している。
この状態だと、片付けるために毎回2階へ行く必要があります。
もちろん、それができる方もいます。
でも、子育てや家事に追われる毎日の中では、なかなか続かないこともあります。
結果として、1階に物が集まり、
「収納はあるのに、リビングが片付かない」
という状態になってしまうのです。
1階に収納が必要な理由
暮らしの中心が1階にあるなら、普段よく使う物をしまう収納も、1階にあった方が便利なことがあります。
例えば、
✓子どもの着替え
✓保育園や学校の準備用品
✓通園バッグ、ランドセル
✓上着や帽子
✓洗濯後によく使う衣類
✓掃除道具
✓日用品のストック
✓お出かけグッズ
✓書類や文房具
こうした物は、2階にしまうよりも、使う場所の近くにあった方が片付けやすくなります。
収納は、たくさんあることよりも、戻しやすいことが大切です。
片付けやすい家にしたいなら、
「どこにしまえるか」
だけでなく、
「使ったあと、自然に戻せるか」
まで考える必要があります。
収納の場所が暮らしに合っていると、片付けのハードルは下がります。
反対に、収納の場所がズレていると、どれだけ収納量があっても片付けにくくなります。
子どもの収納は、成長とともに変わる
収納を考える時に、もうひとつ大切な視点があります。
それは、収納の正解はずっと同じではないということです。
特に分かりやすいのが、子どもの収納です。
子どもが小さい頃と、中学生・高校生になった頃、そして独立した後では、便利な収納の場所が変わります。
ここを考えずに、最初から収納をつくり込みすぎると、後から使いにくさを感じることがあります。
子どもが小さい頃は、親の近くが便利
子どもが小さい頃、洋服や持ち物を管理するのは、多くの場合、親です。
✓朝の着替えを手伝う
✓保育園の準備をする
✓学校の持ち物を一緒に確認する
✓洗濯物をたたんでしまう
こうした作業をするのは、親が普段いる場所の近くであることが多いと思います。
そう考えると、子どもの洋服をすべて2階の個室収納にしまうよりも、1階の親が使いやすい場所に置いておいた方が便利な時期があります。
せっかく子ども部屋にクローゼットをつくっても、小さい頃はほとんど使わなかった。
こういうことも十分考えられます。
子どもが小さい時期に必要なのは、子ども自身が管理しやすい収納というより、親が管理しやすい収納かもしれません。
中学生・高校生になると、自分の部屋の収納が便利になる
ところが、子どもが成長すると暮らし方は変わります。
少しずつ親離れして、自分の部屋で過ごす時間が増えていきます。
洋服や持ち物も、自分で管理するようになります。
そうなると今度は、
「自分の部屋に収納があった方が便利」
という時期がやってきます。
小さい頃は親の近くが便利だった収納も、成長すると子ども自身の生活スペースに近い方が使いやすくなります。
つまり、子どもの成長とともに、便利な収納場所も変わるということです。
家づくりでは、今の子どもの年齢だけで収納を考えないことが大切です。
5年後、10年後に、その収納を誰がどう使っているか。
ここまで想像しておくと、収納の考え方は変わります。
子どもが独立した後、収納はどうなるのか
さらに時間が経つと、子どもが独立する時期がきます。
進学や就職、結婚などをきっかけに、家を出ることもあるでしょう。
その時、子ども部屋の収納はどうなるでしょうか。
日常的に使う機会は、少なくなるかもしれません。
一方で、夫婦二人の暮らしになり、年齢を重ねていくと、
「できるだけ1階で生活を完結させたい」
と感じるようになるかもしれません。
そう考えると、60年暮らす家の中で、子ども部屋の収納が子どものために本格的に活躍する期間は、意外と限られている可能性があります。
もちろん、子ども部屋の収納が不要という意味ではありません。
ただ、最初から大きく固定してつくり込みすぎると、将来使いにくくなることもあります。
子ども部屋の収納は、最初から完成させすぎない
子ども部屋の収納を考える時には、最初からすべてを完成させすぎないという考え方もあります。
例えば、子どもが小さいうちは、家族がよく使う1階収納を中心にする。
親が管理しやすい場所に、子どもの洋服や持ち物を置く。
そして、子どもが成長して自分の部屋で過ごすようになったら、必要に応じて置き型収納を追加する。
こうすれば、子どもの成長に合わせて収納の量や場所を調整できます。
家を建てた瞬間に、すべてを固定してしまわない。
暮らしの変化に合わせられる余白を残しておく。
これも、長く暮らす家の収納を考える上で大切な視点だと思います。
収納は、今だけに合わせるものではありません。
暮らしの変化に合わせて、使い方を変えていけることも大切です。
ファミリークローゼットがあれば正解、ではない
ここまで聞くと、
「では、1階に大きなファミリークローゼットをつくればいいんですね」
と思われるかもしれません。
確かに、1階のファミリークローゼットが合うご家庭はあります。
洗濯物を干す場所、たたむ場所、しまう場所、着替える場所が近ければ、家事がラクになることもあります。
ただ、ファミリークローゼットが必ず正解というわけではありません。
家族によって暮らし方は違います。
✓洗濯物はどこで干すのか
✓乾いた洗濯物は誰がしまうのか
✓どこで着替えるのか
✓子どもの準備を誰が手伝うのか
✓帰宅した時、上着やカバンをどこに置くのか
✓夫婦の生活リズムは同じなのか
✓1階に収納をつくるだけの面積があるのか
こうした暮らし方によって、使いやすい収納は変わります。
ファミリークローゼットが正解なのではありません。
自分たちの暮らしを整理した結果、ファミリークローゼットが合うご家庭もあるという順番です。
この順番を間違えないことが大切です。
収納を考える時の3つの質問
これから家づくりを考える方には、収納の広さを決める前に、ぜひ次の3つを考えてみてほしいと思います。
1. どこで使う?
その収納に入れる物は、普段どこで使いますか。
✓リビングで使う物なのか
✓洗面や脱衣室で使う物なのか
✓玄関まわりで使う物なのか
✓寝室で使う物なのか
✓子ども部屋で使う物なのか
使う場所の近くに収納があると、片付けやすくなります。
2. 誰が片付ける?
その物を片付けるのは誰でしょうか。
✓親なのか
✓子どもなのか
✓夫婦のどちらかなのか
✓家族みんななのか
片付ける人にとって使いやすい場所に収納がないと、片付けは続きにくくなります。
子どもが片付けるなら、子どもが届く高さや分かりやすい場所も大切です。
親が管理するなら、親の家事動線に合っていることが大切です。
3. 10年後、20年後、30年後どう変わる?
今は便利でも、10年後も同じように使うとは限りません。
✓子どもが成長する
✓夫婦二人の暮らしになる
✓歳を重ねて、1階中心の暮らしになる
✓持ち物の量や種類が変わる
こうした変化を考えておくと、収納を固定しすぎず、変えられる余白を残しやすくなります。
収納の広さを決める前に、
✓どこで使うか
✓誰が片付けるか
✓将来どう変わるか
この3つを考えることで、自分たちに本当に必要な収納が見えてくると思います。
収納を考える前に、暮らしを考える
家は、建てた時の暮らしがずっと続くわけではありません。
✓子どもは成長します
✓いつか独立するかもしれません
✓夫婦の暮らし方も変わります
✓歳を重ねると、使いやすい場所も変わります
だから収納も、
「今、たくさん入ること」
だけを考えるのではなく、
「暮らしに合わせて変化できること」
が大切なのではないでしょうか。
収納の答えは、収納そのものの中にあるわけではありません。
自分たちの暮らしの中にあります。
✓どんな毎日を過ごしているのか
✓朝はどこで準備をしているのか
✓帰ってきたら何をどこに置いているのか
✓洗濯物はどう動いているのか
✓子どもが成長したらどう変わるのか
✓夫婦二人になったらどう使うのか
ここを整理すると、必要な収納の場所や大きさが見えてきます。
まとめ|収納はたくさんあればいいわけではない
収納の後悔は、単純に収納が足りないことだけが原因ではありません。
収納はあるのに片付かない。
その場合、使う場所としまう場所がズレている可能性があります。
特に子育て中は、着替え、洗濯、学校の準備、お出かけ、帰宅後の片付けなど、多くの家事や育児が1階で行われます。
それなのに収納が2階に集中していると、毎日の片付けが大変になり、リビングに物が集まりやすくなります。
また、収納の正解はずっと同じではありません。
子どもが小さい頃は、親の近くに収納があると便利です。
中学生・高校生になると、自分の部屋の収納が便利になります。
そして子どもが独立した後は、その収納を日常的に使わなくなることもあります。
だからこそ、収納には変えられる余白を残すことも大切です。
収納を考える時は、
1.どこで使うか
2.誰が片付けるか
3.10年後、20年後、30年後どう変わるか
この3つを考えてみてください。
収納の広さを決める前に、まず暮らしを考える。
そうすることで、自分たちに必要な収納が少しずつ見えてくると思います。
くらしとおかねの学びばでは、家づくりの前に、間取りや収納だけでなく、これからの暮らしとお金を一緒に整理するご相談を行っています。
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そんな方は、まず自分たちの暮らしを整理するところから始めてみませんか。
くらしとおかねの学びば
代表:堀内裕輔
運営:三協建設株式会社
よくある質問
Q. 家づくりで収納の後悔が多いのはなぜですか?
収納の広さだけで考えてしまい、使う場所としまう場所がズレていることが原因になる場合があります。
収納はたくさんあっても、使う場所から遠いと片付けにくくなり、リビングやダイニングに物が集まりやすくなります。
Q. 収納は何帖あれば足りますか?
収納に必要な広さは、ご家庭の持ち物の量や暮らし方によって変わります。
何帖必要かを考える前に、どこで使う物なのか、誰が片付けるのか、将来どう使い方が変わるのかを考えることが大切です。
Q. 1階に収納は必要ですか?
子育て中のご家庭では、着替え、洗濯、学校の準備、帰宅後の片付けなどが1階で行われることが多いため、1階収納があると便利な場合があります。
特によく使う物は、使う場所の近くにしまえると片付けやすくなります。
Q. ファミリークローゼットはつくった方がいいですか?
ファミリークローゼットが合うご家庭もありますが、必ず正解というわけではありません。
洗濯物をどこで干すか、どこで着替えるか、誰が片付けるかなど、暮らし方によって使いやすい収納は変わります。
Q. 子ども部屋の収納は最初からつくった方がいいですか?
子どもの成長に合わせて、便利な収納の場所は変わります。
小さい頃は親の近くが便利で、中学生・高校生になると自分の部屋の収納が便利になることもあります。
最初からつくり込みすぎず、必要に応じて置き型収納を足すという考え方もあります。




