収納って、広ければいい? 「何帖あるか」だけでは分からない、使いやすい収納の考え方
2026.10.02
収納って、広ければいい?
「何帖あるか」だけでは分からない、使いやすい収納の考え方
こんにちは。三協建設株式会社の堀内裕輔です。
家づくりで、多くの方が気にされるもののひとつが収納です。
「収納はたくさん欲しい」
「できるだけ物が片付く家にしたい」
「ウォークインクローゼットは広めにしたい」
「パントリーもあると便利そう」
そう考える方は多いと思います。
図面を見ながら、
「ここにも収納が欲しい」
「あそこにも、もう少し収納をつくれないかな」
と考えていく。
もちろん、収納は毎日の暮らしやすさに大きく関わるものです。
物が片付く家にしたい
リビングをスッキリ見せたい
日用品や洋服をきちんとしまいたい
そう思うのは自然なことです。
ただ、ここで一度考えてみてほしいことがあります。
収納は、本当に広ければ広いほど使いやすいのでしょうか。
実は収納は、「何帖あるか」だけでは使いやすさを判断できません。
今回は、家づくりで見落としやすい、収納の広さと使いやすさについて考えてみたいと思います。
CONTENTS
収納を「床の広さ」で考えてしまう理由
家づくりでは、平面図を見ながら間取りを考えることが多いです。
平面図は、家を上から見た図面です。
そのため、収納もどうしても、
「この収納は1帖」
「このウォークインクローゼットは2帖」
「パントリーはもう少し広い方がいい」
というように、床の広さで考えやすくなります。
もちろん、床面積は大切です。
でも、実際に家が完成して収納を使うとき、私たちは収納を上から見るわけではありません。
扉を開けて、正面から物を出し入れします。
洋服を掛ける
バッグを置く
日用品を棚に並べる
掃除道具を立てる
食品ストックを見えるように置く
こう考えると、収納で実際に使っているのは床だけではありません。
壁の長さ
高さ
奥行き
これらを使って、立体的に収納しています。
だから収納を考えるときは、床面積だけではなく、壁面積で見ることも大切です。
同じ1帖でも、収納量は同じとは限らない
例えば、同じ1帖の収納があったとします。
平面図で見れば、どちらも同じ1帖です。
でも、実際の使いやすさは、形や出入口の位置によって変わります。
壁が長く取れていて、そこにハンガーパイプや棚を設置できる収納。
一方で、床面積は同じでも、扉や通路の関係で、物を置ける壁が少ない収納。
図面上の広さは同じでも、実際にしまえる量や使いやすさは同じとは限りません。
収納で大切なのは、
「何帖あるか」
だけではなく、
「どれくらい使える壁があるか」
ということです。
洋服を掛けたいなら、ハンガーパイプをどれくらいの長さで取れるのか。
棚に物を並べたいなら、棚を何段つくれて、どれくらいの幅があるのか。
掃除機や日用品をしまいたいなら、出し入れしやすい高さと奥行きになっているのか。
こうしたことまで考えると、収納の見え方は変わってきます。
奥行きが深ければ使いやすいわけではない
収納で、もうひとつ考えたいのが奥行きです。
奥行きの深い収納を見ると、
「たくさん入りそう」
と思いますよね。
確かに、物理的にはたくさん入ります。
でも、たくさん入ることと、使いやすいことは同じではありません。
例えば、奥行きの深い棚があるとします。
手前に物を置き、その奥にも物を置く。
最初はきれいにしまえていても、時間が経つとどうなるでしょうか。
奥にしまう
↓
見えなくなる
↓
何をしまったか忘れる
↓
同じような物をまた買ってしまう
こういうことが起こりやすくなります。
そして、新しく買った物をまた収納する。
すると、さらに物が増えていきます。
収納スペースはあるのに、何がどこにあるか分からない。
これは、収納が足りないのではなく、管理しにくい収納になっている状態です。
「たくさん入る」と「管理しやすい」は違う
収納の目的は、ただ物をたくさん入れることではありません。
もちろん、必要な物が入る容量は必要です。
でも、それだけでは暮らしやすい収納とは言えません。
毎日の暮らしを考えると、
何があるか分かる
取り出しやすい
戻しやすい
家族も使いやすい
買いすぎや探し物が減る
こうしたことも、とても大切です。
広い収納をつくっても、奥に何があるか分からなければ、うまく使いきれません。
反対に、それほど広くなくても、持っている物が見渡せて、出し入れしやすければ、使いやすい収納になります。
収納は、たくさん入ることよりも、管理できること。
この視点を持っておくと、家づくりの収納計画はかなり変わります。
収納は床面積より「壁面積」で考える
収納を考えるときは、床面積よりも壁面積から考えてみるのがおすすめです。
例えば、洋服なら、
「ウォークインクローゼットは何帖ほしいか」
ではなく、
「何mくらい洋服を掛けたいか」
と考えてみる。
パントリーなら、
「何帖ほしいか」
ではなく、
「どれくらいの長さの棚が、何段必要か」
と考えてみる。
日用品収納なら、
「大きな収納がほしい」
ではなく、
「何を、どのくらいの奥行きで、何段並べたいか」
と考えてみる。
つまり、
壁の長さ × 高さ × 必要な奥行き
で収納を考えていくということです。
こうすると、
「収納をたくさん欲しい」
という漠然とした希望が、少しずつ具体的になります。
収納は広くしたい。
ではなく、
今のクローゼットと同じ長さが、あと1本ほしい。
この棚があと2列あれば足りそう。
この奥行きは深すぎて使い切れていない。
日用品は浅い棚で見えるように並べたい。
こんなふうに、暮らしに合わせて考えられるようになります。
今使っている収納を測ってみる
とはいえ、
「わが家に必要な収納量はどれくらいですか?」
と聞かれても、すぐには分からないと思います。
そこでおすすめしたいのが、今使っている収納を測ってみることです。
難しいことをする必要はありません。
今使っているクローゼットや棚について、
1.壁の長さ
2.使っている高さ
3.奥行き
を測ってみてください。
そして、
「ここは足りている」
「ここはいつもパンパンになっている」
「この棚は奥がほとんど使えていない」
「この高さは使いにくい」
「この奥行きなら見やすい」
ということを確認してみます。
これだけでも、自分たちに必要な収納量はかなり具体的になります。
図面の中で収納を考える前に、今の暮らしを見る。
これは、収納計画ではとても大切です。
「収納をたくさん欲しい」を数字にする
「収納をたくさん欲しい」
という希望だけでは、どれくらい必要なのかが分かりません。
設計する側も、ご家族自身も、「たくさん」の基準が曖昧なままになってしまいます。
でも、今の収納を測ってみると、かなり具体的になります。
例えば、
「今使っているクローゼットと同じ長さが、もう1本ほしい」
「この棚があと2列あれば足りそう」
「パントリーは奥行きが深いより、浅い棚を長く取りたい」
「季節家電は高さが必要」
「日用品は1か所にまとめたいけれど、奥行きは浅めがいい」
こんなふうに、必要な収納が見えてきます。
収納を感覚で決めるのではなく、今の暮らしから考える。
そうすると、必要以上に家を大きくしなくても、自分たちに合った収納を考えやすくなります。
収納を増やすことは、家を大きくすること
収納について、もうひとつ知っておきたいことがあります。
それは、収納を増やすことも、家を大きくすることだということです。
「あと1帖収納が欲しい」
「ここにも収納が欲しい」
「パントリーをもう少し広くしたい」
「ウォークインクローゼットを大きくしたい」
ひとつひとつは小さな希望に感じるかもしれません。
でも、それを積み重ねると、建物の床面積は大きくなります。
建物が大きくなれば、その分、建築費にも影響します。
だからこそ、
本当に床面積を増やす必要があるのか
壁の使い方で解決できないか
棚の奥行きを変えれば使いやすくならないか
高さを活かせば収納量を確保できないか
持ち物を見直すことで、必要な収納を減らせないか
こうしたことを一度考えてみる価値があります。
収納は、多ければ安心というものではありません。
必要な分を、使いやすくつくることが大切です。
収納を考えるときの3つの質問
これから家づくりを考える方には、収納の広さを決める前に、次の3つを考えてみてほしいと思います。
1. 何をしまう?
まずは、何をしまう収納なのかを考えます。
洋服なのか。
バッグなのか。
日用品なのか。
食品ストックなのか。
掃除道具なのか。
季節家電なのか。
アウトドア用品なのか。
書類や文房具なのか。
しまう物によって、必要な収納の形は変わります。
洋服なら掛ける長さが必要です。
日用品なら、見渡せる棚が便利かもしれません。
掃除道具なら、高さが必要です。
食品ストックなら、浅めの棚の方が管理しやすいこともあります。
2. どれくらいの奥行きが必要?
次に、奥行きです。
奥行きは深ければいいわけではありません。
物に対して深すぎる収納は、奥が見えにくくなります。
見えないと、管理しにくくなります。
管理しにくいと、同じ物を買ってしまったり、使わない物が奥に残ったりします。
収納する物に合った奥行きにすることが大切です。
洋服を掛けるなら、ハンガーが入る奥行きが必要です。
日用品や食品ストックなら、奥まで見える浅めの棚が使いやすいこともあります。
布団や季節物なら、ある程度の奥行きが必要な場合もあります。
何をしまうかによって、ちょうどいい奥行きは変わります。
3. どれくらいの壁が必要?
最後に、壁の長さと高さです。
収納を考えるときは、床の広さだけでなく、どれくらいの壁を使えるかを見てみます。
洋服を掛けるなら、何m分のハンガーパイプが必要なのか。
棚なら、何段あれば足りるのか。
高さはどこまで使えるのか。
家族が出し入れしやすい高さなのか。
この視点があると、収納を何帖にするかだけではなく、どう使うかまで考えやすくなります。
「収納は何帖ほしい?」
ではなく、
何を、どうしまいたいか。
ここから考えることが大切です。
ウォークインクローゼットも、広さだけで決めない
ウォークインクローゼットも、広ければ使いやすいとは限りません。
ウォークインクローゼットは、人が中に入って使う収納です。
そのため、通路のスペースが必要になります。
床面積としては広く見えても、実際に洋服を掛けられる壁が少ないと、思ったほど収納できないこともあります。
反対に、ウォークインではなく壁面収納の方が、ハンガーパイプを長く取れて使いやすい場合もあります。
大切なのは、ウォークインクローゼットにすることではありません。
どれくらいの服を掛けたいのか。
どれくらいの棚が必要なのか。
夫婦で分けて使うのか。
季節ごとに入れ替えるのか。
毎日着る服をどこで管理するのか。
こうした暮らし方から考えることです。
パントリーも、奥行きと見やすさが大切
パントリーも同じです。
広いパントリーがあると便利そうに見えます。
もちろん、食品ストックや日用品を管理する場所として、パントリーは便利です。
ただ、奥行きが深すぎると、奥の物が見えにくくなります。
見えないと、賞味期限が切れてしまったり、同じ物を買ってしまったりすることがあります。
パントリーは、たくさん入ることよりも、何があるか見えることが大切です。
食品や日用品は、浅めの棚で見渡せる方が管理しやすい場合もあります。
広さだけでなく、棚の長さ、段数、奥行きまで考えておくと、使いやすいパントリーになりやすいです。
収納も、暮らしを知ることから
収納には、すべての家庭に共通する正解があるわけではありません。
物が多いご家庭もあれば、少ないご家庭もあります。
洋服が多い方もいます。
本が多い方もいます。
アウトドア用品が多い方もいます。
食品ストックを多めに持ちたい方もいます。
できるだけ物を少なく暮らしたい方もいます。
だから、
「収納率は何%あれば大丈夫」
「ウォークインクローゼットは何帖必要」
「パントリーはこの広さが正解」
という数字だけで決めるのは難しいです。
まずは、自分たちの暮らしを知ることです。
何を持っているのか。
どこで使っているのか。
どうしまいたいのか。
何が取り出しにくいのか。
何が増えやすいのか。
どこが片付かないのか。
そこが見えてくると、自分たちに必要な収納も見えてきます。
収納は、広さより管理しやすさ。
床の広さだけではなく、壁の長さ、高さ、奥行きまで想像してみる。
それが、家づくりで収納の後悔を減らすポイントだと思います。
まとめ|収納は広さより管理しやすさ
家づくりでは、収納をたくさん欲しいと考える方が多いです。
もちろん、収納は暮らしやすさに関わる大切なものです。
ただ、収納は広ければ広いほど使いやすいとは限りません。
平面図で見ると、収納は床の広さで考えがちです。
でも、実際の収納は、壁の長さ、高さ、奥行きを使って立体的に使っています。
同じ1帖の収納でも、使える壁の長さや出入口の位置によって、収納量や使いやすさは変わります。
奥行きが深い収納も、たくさん入る反面、奥の物が見えにくくなり、管理しづらくなることがあります。
だから、収納を考えるときは、
-
何をしまうか
-
どれくらいの奥行きが必要か
-
どれくらいの壁が必要か
この3つを考えてみてください。
「収納をたくさん欲しい」
ではなく、
「何を、どうしまいたいか」
から考える。
今使っている収納の壁の長さ、高さ、奥行きを測ってみる。
そうすると、自分たちに必要な収納量が具体的に見えてくると思います。
収納も、暮らしを知ることから。
くらしとおかねの学びばでは、家づくりの前に、間取りや収納だけでなく、これからの暮らしとお金を一緒に整理するご相談を行っています。
「収納で後悔したくない」
「ウォークインクローゼットやパントリーの広さで迷っている」
「自分たちに必要な収納量を知りたい」
そんな方は、まず今の暮らしを一緒に整理するところから始めてみませんか。
くらしとおかねの学びば
代表:堀内裕輔
運営:三協建設株式会社
よくある質問
Q. 収納は広い方が使いやすいですか?
収納は広ければ使いやすいとは限りません。
大切なのは、何をしまうか、どこで使うか、どれくらいの奥行きが必要かです。
広くても奥の物が見えにくい収納は、管理しにくくなることがあります。
Q. 収納は何帖あれば足りますか?
必要な収納量は、家族構成や持ち物の量、暮らし方によって変わります。
何帖必要かを考える前に、今使っている収納の壁の長さ、高さ、奥行きを測ってみると、自分たちに必要な収納量が見えやすくなります。
Q. 収納を床面積ではなく壁面積で考えるとはどういうことですか?
収納は床だけでなく、壁の長さや高さを使って立体的に使います。
洋服を掛ける長さ、棚の段数、物を並べる幅などを考えることで、収納の使いやすさが分かりやすくなります。
Q. 奥行きの深い収納は使いにくいですか?
しまう物によっては、奥行きが深い収納が必要な場合もあります。
ただし、日用品や食品ストックなどは、奥行きが深すぎると奥の物が見えにくくなり、管理しにくくなることがあります。
物に合った奥行きを考えることが大切です。
Q. ウォークインクローゼットは広い方がいいですか?
ウォークインクローゼットは、人が通るスペースも必要になるため、床面積が広くても実際に収納できる量が多いとは限りません。
どれくらい洋服を掛けたいか、棚をどれくらい使いたいかなど、壁の長さや使い方で考えることが大切です。




