子どもの教育費と家の修繕費は重なる?戸建てのメンテナンス費用と積立の考え方
2026.10.20
子どもの教育費と家の修繕費は重なる?戸建てのメンテナンス費用と積立の考え方
こんにちは。三協建設株式会社の堀内裕輔です。
家づくりを考えるとき、多くの方がまず気にするのは「建てるときにいくらかかるのか」ということだと思います。
・土地代はいくらか
・建物代はいくらか
・住宅ローンは毎月いくら返すのか
もちろん、ここをしっかり考えることはとても大切です。
ただ、家づくりのお金は、建てるときだけで終わるわけではありません。
家は住み始めてからも、設備の修理や交換、定期的なメンテナンスにお金がかかります。
そして、意外と見落とされやすいのが、
「家の修繕費がかかる時期」と「子どもの教育費が増える時期」が重なること。
今回は、家づくりの前に知っておきたい「建てたあとのお金」について考えてみたいと思います。
CONTENTS
家を建てたら、その後は家にお金がかからない?
まず、簡単なクイズです。
Q. 家を建てたら、その後は家にお金がかからない?
○でしょうか。
×でしょうか。
答えは、もちろん「×」です。
家は、建てたあともお金がかかります。
新築のときには、すべての設備が新しく、すぐに修理や交換が必要になることは少ないと思います。
でも、10年、15年、20年と住み続けるうちに、少しずつ修理や交換が必要になる部分が出てきます。
例えば、
・給湯器・エコキュート
・食洗機
・IHクッキングヒーター・ガスコンロ
・浴室換気扇
・エアコン
・シロアリ対策の再施工
・防水部分の点検や再施工
こうしたものです。
もちろん、これらがすべて同じ時期に交換になるわけではありません。
設備の使い方や製品の種類、家の仕様、周辺環境などによって、必要なタイミングは変わります。
ただ、どんな家でも、長く住み続けるためには一定の維持管理が必要になるということです。
住宅設備の故障は、突然やってくることもある
家のメンテナンス費で考えておきたいのが、設備の故障です。
例えば、給湯器。
昨日まで普通に使えていたのに、突然お湯が出なくなる。
食洗機にエラーが出て動かなくなる。
浴室換気扇から、今まで聞いたことのない音がする。
そんなこともあります。
設備によっては、少しずつ調子が悪くなることもありますが、突然使えなくなることもあります。
しかも、給湯器やエアコンなど、毎日の暮らしに欠かせない設備の場合、修理や交換を先延ばしにすることが難しいこともあります。
修理内容によっては数万円で済む場合もあれば、交換となると数十万円単位の出費になることもあります。
家計に余裕があるときなら対応できても、ほかの大きな支出と重なると、負担に感じるかもしれません。
だからこそ、家の修繕費は、
「必要になったときに考えるお金」ではなく、「いずれ必要になるものとして準備しておくお金」
と考えておくことが大切です。
築10年・15年・20年頃、子どもは何歳になっている?
ここで少し、家族の暮らしを想像してみましょう。
例えば、30歳のご夫婦が家を建てたとします。
お子さんは2歳と0歳。
新築のころは、子どもたちはまだ小さく、これからの教育費について考え始める時期かもしれません。
では、家が築15年になったときはどうでしょうか。
ご夫婦は45歳。
お子さんは17歳と15歳になっています。
高校生と中学生くらいの時期です。
塾代や受験費用、進学に向けた準備など、教育費の負担が大きくなることもあります。
さらに築20年になると、ご夫婦は50歳。
お子さんは22歳と20歳です。
進路によっては、大学や専門学校などに通っている時期かもしれません。
大学の学費だけでなく、一人暮らしのための費用が必要になることもあります。
ちょうどそんな時期に、
「給湯器を交換しないといけない」
「食洗機も故障した」
「家の防水部分もメンテナンスが必要になった」
となったら、どうでしょうか。
住宅ローンを返済しながら、教育費も支払い、さらに家の修繕費も必要になる。
それぞれ単独なら準備できるお金でも、同じ時期に重なると、家計への負担は大きくなります。
もちろん、すべてのご家庭でこのような時期が重なるわけではありません。
家を建てる年齢や子どもの年齢、進学先、設備の状態によって変わります。
ただ、家を建てたときの家族の年齢から、10年後、15年後、20年後を想像してみることには、とても意味があると思います。
困るのは、修繕費がかかることより「想定していなかったこと」
家の修繕費について考えると、
「なるべくメンテナンスにお金がかからない家がいい」
と思われるかもしれません。
もちろん、長く使える材料や設備を選ぶこと、手入れのしやすい設計にすることは大切です。
ただ、メンテナンス費をまったくゼロにすることは現実的ではありません。
設備には寿命があります。
外壁や屋根、防水部分なども、状態を確認しながら必要な手入れをしていくものです。
大切なのは、メンテナンス費がかかること自体を悪いと考えないことです。
それよりも、
「そんなにお金がかかると思っていなかった」
「教育費が大変な時期に、急に大きな出費が必要になった」
という状態を避けることが大切だと思います。
家を建てる前から、将来の修繕費を暮らしの計画に入れておく。
これだけでも、建てたあとのお金の考え方は変わってきます。
戸建て住宅にも「自分で修繕積立」をする考え方
マンションでは、毎月、修繕積立金を支払うことが一般的です。
これは主に、建物の共用部分などを将来修繕するために準備するお金です。
一方、戸建て住宅の場合はどうでしょうか。
基本的には、誰かが自動的に修繕費を積み立ててくれるわけではありません。
自分たちで準備しておく必要があります。
だから、戸建て住宅でも、
「毎月、自分たちで修繕積立をする」
という考え方を持っておくといいと思います。
今は修理するところがなくても、将来必要になるお金として少しずつ準備しておく。
住宅ローンの返済だけでなく、家を維持していくためのお金も、毎月の家計の中に組み込んでおくということです。
戸建ての修繕積立は、毎月いくら必要?
では、実際にいくらくらい準備すればいいのでしょうか。
ひとつの目安として、毎月1万円〜2万円ほどを家のメンテナンス費として積み立てるという考え方があります。
例えば、毎月1万円を積み立てれば、10年間で120万円。
毎月2万円なら、10年間で240万円になります。
毎月少しずつでも、長い期間で見るとまとまった金額になります。
ただし、これはあくまで考え方を説明するための目安です。
実際に必要な金額は、
・家の大きさ
・建物の形状や仕様
・外壁や屋根の種類
・住宅設備の数やグレード
・メンテナンスの内容
・住まい方や周辺環境
などによって変わります。
また、毎月1万円〜2万円を積み立てていれば、将来の修繕費が必ずすべてまかなえるということでもありません。
大規模な外装工事や複数の設備交換が重なれば、積立額だけでは足りない場合もあります。
反対に、建物や設備の仕様、実際の劣化状況によっては、想定していた工事が必要ない時期もあるでしょう。
大切なのは、金額だけを決めることではありません。
自分たちの家では、いつ頃、どんな費用が必要になりそうかを確認して、それに合わせて準備することです。
住宅ローンの返済額だけで、家づくりの予算を決めない
家づくりでは、
「毎月の住宅ローン返済額が、今の家賃と同じくらいなら大丈夫」
という考え方をすることがあります。
もちろん、毎月の返済額は大切です。
ただ、住宅ローンが払えることと、建てたあとも無理なく暮らせることは、必ずしも同じではありません。
住宅ローンのほかにも、
固定資産税
火災保険
光熱費
家のメンテナンス費
など、住まいに関わる支出があります。
さらに、教育費や車の買い替え、老後資金も考えていく必要があります。
例えば、住宅ローンの返済額だけで家計がいっぱいになってしまったら、将来の修繕費を積み立てる余裕がなくなってしまうかもしれません。
だから、家づくりの予算を考えるときには、
「住宅ローンを毎月いくら払えるか」
だけではなく、
「住宅ローンを払いながら、将来のお金も準備していけるか」
まで見ておきたいところです。
家は、建てたあとも何十年と暮らしていく場所です。
その間に必要になるお金まで考えることが、無理のない家づくりにつながると思います。
教育費と修繕費、将来のお金を一度並べてみる
では、どうやって考えていけばいいのでしょうか。
おすすめしたいのは、これから必要になるお金を、時系列で一度並べてみることです。
例えば、
10年後には、子どもが何歳になっているのか。
15年後には、どんな教育費が必要になりそうか。
20年後には、住宅ローンがどれくらい残っているのか。
その頃、どんな住宅設備の交換が考えられるのか。
さらに、老後資金の準備はどうなっているのか。
こうしたことを、一度同じ時間軸で見てみます。
すると、
「この時期は教育費が大きくなりそう」
「この頃は家のメンテナンスにも備えておきたい」
「だったら、その前から少しずつ準備しておこう」
というように、今から考えておけることが見えてきます。
将来のお金は、すべて正確に予測できるわけではありません。
でも、見えていないままにするのと、おおよその時期や金額を考えておくのとでは、大きな違いがあると思います。
家の保証があっても、修繕費の準備は必要
ここで、もうひとつ知っておきたいことがあります。
それは、住宅の保証とメンテナンスは別だということです。
「30年保証」「60年保証」など、長い保証が付いている家もあります。
保証があることは、もちろん安心材料のひとつです。
ただし、保証があるからといって、設備の交換や外まわりのメンテナンスがすべて無料になるわけではありません。
保証には、対象となる部分や条件、期間などが決められています。
また、保証を継続するために、定期点検や必要なメンテナンスが条件になる場合もあります。
だからこそ、家づくりでは「何年保証か」という数字だけではなく、建てたあとにどんな維持管理が必要になるのかも確認しておくことが大切です。
家は、大切な資産です。
建てたときの状態を、何もしないまま何十年も維持できるわけではありません。
住みながら状態を確認し、必要なところに手をかけていく。
そして、そのためのお金も準備しておく。
この両方が大切だと思っています。
まとめ|家づくりは、建てたあとのお金まで考える
家づくりでは、土地代や建物代、住宅ローンなど、建てるまでのお金に目が向きやすくなります。
でも、家は建てて終わりではありません。
10年、15年、20年と暮らしていく中で、設備の修理や交換、定期的なメンテナンスが必要になります。
そして、家を建てたときに子どもが小さかったご家庭では、その時期が高校や大学などの教育費が増える時期と重なることもあります。
だからこそ、家の修繕費も、最初から暮らしの計画に入れておきたいところです。
戸建て住宅でも、自分たちで修繕積立をする。
教育費や老後資金と同じように、家のメンテナンス費も毎月少しずつ準備しておく。
大切なのは、将来の修繕費を完全になくすことではありません。
「そんなにかかると思っていなかった」とならないように、あらかじめ備えておくこと。
住宅ローンが払えるかどうかだけではなく、教育費や老後資金、家の維持費まで含めて、建てたあとの暮らしを考える。
それが、長く安心して暮らせる家づくりにつながっていくと思います。
くらしとおかねの学びばでは、家づくりの予算や住宅ローンだけでなく、教育費、老後資金、家のメンテナンス費など、これからの暮らしに必要なお金を一緒に整理しています。
「住宅ローンは払えそうだけど、その後の家計が少し不安」
「教育費と家の修繕費が重なっても大丈夫なのか知りたい」
「家を建てたあとのお金まで考えて、予算を決めたい」
そんな方は、まずこれからの暮らしとお金を一緒に整理してみませんか。
くらしとおかねの学びば
代表:堀内裕輔
運営:三協建設株式会社
よくある質問
Q. 戸建て住宅の修繕費は毎月いくら積み立てればいいですか?
ひとつの目安として、毎月1万円〜2万円ほどを積み立てるという考え方があります。
ただし、必要な金額は建物の大きさや仕様、設備の種類、将来の修繕計画によって変わります。
この金額ですべての修繕費をまかなえるとは限らないため、自分たちの住まいに合った金額を考えることが大切です。
Q. 新築から10年・15年・20年経つと、どんなメンテナンスが必要ですか?
給湯器やエコキュート、食洗機、IH・コンロ、換気扇、エアコンなどの設備に修理や交換が必要になる場合があります。
また、シロアリ対策や防水部分なども、建物の仕様や状態に応じて点検・再施工を検討することがあります。
必ず決まった年数で交換が必要になるわけではありません。
Q. 教育費と住宅の修繕費が重なるのはなぜですか?
子どもが小さい時期に家を建てた場合、築10年〜20年頃には子どもが中学生、高校生、大学生になっていることがあります。
教育費が増える時期と、住宅設備の修理・交換が必要になる時期が重なる可能性があるためです。
Q. 戸建て住宅にもマンションのような修繕積立金は必要ですか?
戸建て住宅では、マンションのように管理組合が修繕積立金を集める仕組みは通常ありません。
そのため、将来の設備交換や外壁・屋根などのメンテナンス費用を、自分たちで計画的に準備しておくことが大切です。
Q. 住宅の長期保証があれば、修繕費はかかりませんか?
保証があることと、メンテナンス費がかからないことは別です。
設備の経年劣化や消耗、外まわりの手入れなどは保証対象外となる場合もあります。
また、保証の継続に定期点検や有償メンテナンスが必要な場合もあるため、保証内容と条件を確認しておくことが大切です。
Q. 家づくりの資金計画では、修繕費も考えた方がいいですか?
はい。
住宅ローンの返済額だけでなく、固定資産税や保険、教育費、老後資金、家のメンテナンス費なども含めて考えることが大切です。
将来の支出を同じ時間軸で整理することで、家を建てたあとも無理なく暮らせる予算を考えやすくなります。




