老後も暮らしやすい間取りとは?将来の大規模リフォームを減らす家づくり
2026.10.27
老後も暮らしやすい間取りとは?将来の大規模リフォームを減らす家づくり
こんにちは。三協建設株式会社の堀内裕輔です。
突然ですが、皆さんのお父さん、お母さんは、今リフォームを考えていませんか?
「そろそろキッチンを新しくしたい」
「お風呂も古くなってきた」
「2階をほとんど使わなくなった」
「できれば1階に寝室が欲しい」
こんな話を聞いたことはないでしょうか。
家は長く住めば、どこかで手入れが必要になります。
キッチンやお風呂、トイレなどの住宅設備は、どうしても古くなっていきます。
クロスや建具、外まわりにも、少しずつメンテナンスが必要になります。
つまり、家は建てて終わりではなく、住みながら手入れをしていくものです。
ただ、ここで少し考えてみてほしいことがあります。
設備の交換はある程度避けられなくても、間取りまで大きく変える必要はあるのでしょうか。
今回は、将来のリフォームと、長く暮らしやすい間取りについて考えてみたいと思います。
CONTENTS
家は、将来リフォームしたくなるもの?
まず、簡単なクイズです。
Q. 家って、将来リフォームしたくなるのでしょうか?
○でしょうか?
×でしょうか?
答えは、○です。
長く住んでいれば、設備の老朽化や不具合によって、修理や交換が必要になることがあります。
たとえば、リフォームには次のような費用がかかることがあります。
| リフォーム内容 | 費用の参考例 |
|---|---|
| キッチン交換 | 約100万円〜 |
| ユニットバス交換 | 約100万円〜 |
| 洗面台交換 | 約30万円〜 |
| トイレ交換 | 約20万円〜 |
| クロス全面張り替え | 約80万円〜 |
※金額は工事費用をイメージするための参考例です。
設備のグレード、施工範囲、建物の状態、工事条件などによって大きく異なります。
そして、これが間取り変更や増築となると、数百万円から、内容によっては一千万円近い費用が必要になることもあります。
設備を新しくするだけなら、既存の位置を活かして交換できる場合もあります。
でも、壁を取り払う、部屋を増やす、水まわりを移動するとなれば、工事は大掛かりになりやすくなります。
もちろん、間取り変更が必要になる事情もあります。
ただ、こうした大きな工事を、最初の家づくりで減らせるとしたらどうでしょうか。
設備の交換と、間取り変更は少し違う
キッチンも、お風呂も、トイレも、いつかは古くなります。
長く使ううちに、部品が傷んだり、故障したりすることもあります。
設備を交換する時期が来るのは、ある程度仕方のないことだと思います。
でも、
「階段が大変だから、1階に寝室をつくりたい」
「子どもが独立したら、使わない部屋ばかりになった」
「今の間取りでは生活しづらくなった」
というのは、少し話が違います。
こうした不便さは、家族構成や年齢によって暮らし方が変わることから生まれます。
そして、暮らしの変化は、ある程度想像することができます。
だからこそ、間取りについては、建てる前から将来を考えておく価値があると思っています。
今のお父さん、お母さんの家を思い浮かべてみる
皆さんのご実家は、どんな間取りでしょうか。
1階にLDKと水まわり。
2階には、子ども部屋と夫婦の寝室。
そんな二階建ての家も多いと思います。
子どもが小さい頃は、家族みんなで暮らしていました。
子どもが成長すると、それぞれの部屋を使うようになります。
そして、進学や就職、結婚などをきっかけに、子どもたちは家を巣立っていきます。
すると、家族4人で暮らしていた家が、今度は夫婦二人の家になります。
その頃には、2階の子ども部屋をほとんど使わなくなっているかもしれません。
さらに歳を重ねると、若い頃には気にならなかった階段の上り下りが負担になることもあります。
「寝室が1階にあればよかった」
「トイレがもう少し近ければよかった」
「使っていない2階の掃除や管理が大変」
そんなふうに感じることがあるかもしれません。
建てたときは使いやすかった家でも、暮らしが変われば、不便に感じる部分が出てくるということです。
家より先に、暮らしの方が変わっていく
家づくりを考えるとき、どうしても今の家族に合わせて間取りを考えがちです。
子どもが小さいから、リビングを広くしたい。
子どもが2人いるから、子ども部屋を2部屋つくりたい。
夫婦の寝室も必要。
収納もたくさん欲しい。
もちろん、今の暮らしを快適にすることは大切です。
でも、家族の暮らしはずっと同じではありません。
子どもが成長する。
自分の部屋で過ごすようになる。
やがて家を巣立つ。
夫婦二人の暮らしになる。
そして、自分たちも歳を重ねていきます。
家は同じ場所に建っていても、そこで暮らす家族のかたちは変わっていくんです。
例えば30歳で家を建てたら、60歳になったときには築30年です。
80歳になれば築50年。
その間、ずっと同じ間取りの使い方をしているとは限りません。
家づくりでは、今だけを見るのではなく、その先の暮らしを想像しておくことが大切だと思います。
将来の大きなリフォームを減らすために考えたいこと
では、将来も暮らしやすい家にするためには、どんなことを考えておけばいいのでしょうか。
僕が大切だと思っているのは、
「今、使いやすいか?」だけではなく、「将来も、このまま暮らせるか?」
という視点です。
例えば、次のようなことです。
1. 子どもが巣立った後も使いやすいか
子ども部屋は、子どもが小さい頃からずっと同じ使い方をするわけではありません。
成長して個室を使う時期もあれば、独立して使わなくなる時期もあります。
家族4人で暮らす時期だけでなく、夫婦二人になったときの使い方も考えておきたいところです。
子ども部屋の広さや数だけではなく、家全体を将来どう使うのか。
そんな視点も大切です。
2. 1階だけでも生活が完結するか
歳を重ねたとき、階段の上り下りが負担になることがあります。
そのときに、1階だけで日常生活ができるとしたらどうでしょうか。
食事をする
お風呂に入る
洗濯をする
着替える
寝る
こうした毎日の生活が1階で完結できれば、将来、寝室を1階に増築する必要を減らせるかもしれません。
最初からすべての部屋を1階につくる必要はありません。
ただ、将来も生活の中心を1階に置けるかどうかは、考えておきたいポイントです。
3. 歳を重ねても水まわりへ移動しやすいか
若い頃は、寝室からトイレまで少し距離があっても、あまり気にならないかもしれません。
でも、歳を重ねれば感じ方も変わります。
夜中にトイレへ行くとき。
洗濯物を運ぶとき。
お風呂に入るとき。
こうした毎日の移動が、負担になることもあります。
寝室やトイレ、洗面、お風呂などの位置関係は、今の便利さだけでなく、将来の暮らしやすさにも関わります。
4. 使わなくなる部屋が多すぎないか
家づくりでは、部屋が多い方が安心に感じることもあります。
でも、使わない部屋が増えれば、掃除や管理の負担になることもあります。
今、本当に必要な部屋は何か。
将来、使わなくなったらどうするのか。
別の用途に使えるのか。
そうしたことを考えると、必要な部屋の数や広さも変わってくるかもしれません。
老後も暮らしやすい家は、平屋じゃないとできない?
ここまで読むと、
「それなら、やっぱり平屋がいいのかな?」
と思われるかもしれません。
確かに、平屋は階段のない暮らしができるという点で、将来の生活を考えやすい住まい方です。
ただ、必ずしも平屋にしなければいけないわけではありません。
土地の広さや形状、建ぺい率などの法規制によっては、必要な部屋をすべて1階につくることが難しい場合もあります。
そんなときに考えたいのが、「ほぼ平屋」という住まい方です。
例えば、LDKや水まわり、主寝室など、日常生活に必要な場所を1階にまとめる。
そして、子ども部屋など、家族の成長によって使い方が変わる部屋を2階に配置する。
こうすれば、子育て中は2階も使いながら、将来は1階を中心とした暮らしに移行しやすくなります。
もちろん、すべてのご家庭にこの間取りが正解というわけではありません。
家族構成や土地の条件によって、暮らしやすい形は変わります。
大切なのは、平屋か二階建てかという建物の形だけで決めないことです。
これからの暮らしに必要な場所を、どこに配置するか。
この視点で考えると、土地がそれほど大きくなくても、将来を見据えた間取りにできる可能性があります。
間取りまで直さなくていい家を目指す
将来のことを考えて家づくりをしたからといって、絶対にリフォームが不要になるわけではありません。
家族の事情が変わることもあります。
健康状態や生活環境によって、新たな設備や改修が必要になることもあります。
そこまですべて予測することは難しいと思います。
ただ、子どもが独立することや、夫婦二人の暮らしになること、歳を重ねて階段が負担になる可能性があることは、家づくりを始める段階でも想像できます。
だからこそ、今から考えておきたいのです。
家のメンテナンスは必要です。
設備が古くなれば、交換する時期もやってきます。
でも、暮らしが変わるたびに、間取りまで大きく直さなくてもいい。
そんな住まいにできれば、将来の大きなリフォーム費用や工事の負担を減らせるかもしれません。
これは、家を長く大切に使うための考え方であり、将来のお金を守ることにもつながります。
間取りを考える前に、親世代の暮らしを見てみる
これから家を建てる方には、ぜひ一度、ご両親の今の暮らしを思い浮かべてみてほしいと思います。
今、どの部屋を使っていますか?
2階は、どれくらい使っていますか?
階段の上り下りは大変そうではありませんか?
寝室や水まわりは使いやすそうでしょうか?
今のご両親の暮らしは、30年後、40年後の自分たちの暮らしを考えるヒントになるかもしれません。
もちろん、親世代と自分たちでは、価値観も生活スタイルも違います。
でも、歳を重ねることで家の使い方が変わるという点は、参考になる部分があると思います。
SNSで見つけた素敵な間取りを見ることも楽しいですが、身近な家族の今の暮らしから学べることも、たくさんあります。
まとめ|家はメンテするもの。でも、間取りまで直さなくていい家に
家は、建てて終わりではありません。
キッチンやお風呂、トイレなどの設備は、いつか交換する時期がやってきます。
外壁や屋根なども、状態を確認しながら必要なメンテナンスをしていくものです。
こうした費用は、家を長く大切に使うために必要なお金です。
でも、暮らし方の変化による大きな間取り変更や増築は、最初の家づくりで減らせる可能性があります。
そのために考えておきたいのは、
・子どもが巣立った後も使いやすいか
・1階だけでも生活が完結するか
・歳を重ねても水まわりへ移動しやすいか
・使わなくなる部屋が多すぎないか
ということです。
今、使いやすいこと。
そして、将来も暮らしやすいこと。
その両方を考えながら間取りをつくることが大切だと思います。
土地が大きくなくても、平屋じゃなくても、視点を変えることで将来の暮らしやすさを考えた家づくりはできます。
家のメンテナンスは必要。でも、大きな間取り変更はできるだけ少なく。
10年後、30年後、そしてその先まで。
これから変わっていく暮らしを想像するところから。
家づくりの前に、これからの暮らしを一緒に考えてみませんか?
家づくりでは、今欲しい間取りや設備に目が向きやすいものです。
でも、本当に大切なのは、その家でこれからどんな毎日を過ごしていくかということ。
そして、将来のリフォーム費用も含めて、無理のないお金の計画を考えておくことです。
くらしとおかねの学びばでは、間取りや家づくりの予算を考える前に、家族のこれからの暮らしとお金を一緒に整理しています。
「土地がそれほど広くないけれど、将来も暮らしやすい家にしたい」
「平屋と二階建て、どちらが自分たちに合っているのか分からない」
「将来のリフォーム費用まで考えて家づくりをしたい」
そんな方は、まずこれからの暮らしについて、一緒に考えてみませんか。
くらしとおかねの学びば
代表:堀内裕輔
運営:三協建設株式会社
よくある質問
Q. 老後も暮らしやすい間取りにするには、平屋がいいですか?
平屋は階段の上り下りがないため、将来の暮らしを考えやすい住まい方です。
ただし、必ずしも平屋でなければいけないわけではありません。
LDKや水まわり、主寝室などを1階に配置した「ほぼ平屋」という間取りも選択肢になります。
Q. 将来リフォームしなくていい家はつくれますか?
住宅設備の交換や建物のメンテナンスを完全になくすことは難しいですが、将来の家族構成や暮らしの変化を考えて設計することで、大きな間取り変更や増築の必要性を減らせる可能性があります。
Q. 1階で生活が完結する間取りとは、どんな家ですか?
食事、入浴、洗濯、着替え、就寝など、日常生活に必要な機能を1階にまとめた間取りです。
将来、2階を日常的に使わなくなっても暮らしやすいように考えます。
Q. 将来の間取り変更や増築には、どれくらいの費用がかかりますか?
工事内容や建物の構造、設備の移動、工事範囲によって大きく変わります。
壁の撤去や間取り変更、増築などを伴う場合は、数百万円以上になることもあります。
構造上の制約や法規制によって、希望する改修が難しい場合もあります。
Q. 土地が狭くても、老後を考えた間取りはつくれますか?
土地の条件や法規制によりますが、可能な場合があります。
必要な部屋をすべて1階に配置できなくても、生活の中心となる場所を1階にまとめ、その他の部屋を2階に配置することで、将来を見据えた間取りを考えられます。




